DL♥ロマンティックに抱きしめて。
そこへ通された事を不思議に思っていると、顔を覗き込む蒲生先生の姿が目の前にあった。
「え?!」
「あ、いや。僕の気のせいならいいんだけど。何だかずっと辛そうな感じだったから。」
そう言って、自らの少し寝癖のついた髪をクシャっと掴み、困ったような顔で微笑んだ。
私、…先生に迷惑かけてしまっている。
「い…いえっ!大丈夫です。ただ…。」
「ただ?」
覗き込む先生の顔を見ると、きっと本気で心配してくれている。
たかが生徒なのに、ここまで優しくしてくれるドクターがいるなんて。
でも…、クマのキーホルダーを無くしたから元気が出ないなんて、口が裂けても言えるはず無くて。
――その時。
ピピピピピピピピ♪