DL♥ロマンティックに抱きしめて。
そう。
目に飛び込んできた光景。
携帯電話を元の場所に収めようとした先生のその白衣の内ポケットから覗くは、小さな小さな茶色のクマの耳。
それを目にした途端叫んでしまった事を恥ずかしくも感じたが、それよりも安心感で一気に体の力が抜けるのを感じる。
「おっと!…そっか。このクマちゃん、君の物だったんだね。」
足の力が緩み崩れ落ちそうになる私を支えてくれたのは、他でもない、目の前の貴方で。
その瞬間、鼻をくすぐるこの香りは、コーヒーと煙草、そして、大人な雰囲気の香り。
「ご…ごめんなさい。」