DL♥ロマンティックに抱きしめて。
♯4 それぞれの先生
*
「君の笑う顔、やっと見れた。」
その言葉の後、頬に少し感じた先生の指先。
それを感じると同時にまるで、金縛りにあったような。
体が少しも動かなくて。先生の瞳から目がそらせない。
「…持ち主か見つかってよかった!安心したよ。」
でも、それ以上触れてはいけないとでも言うように、言葉を発した先生は私に背を向け、自らのその寝癖の残る髪をまたクシャと掴んだ。
―…今の…は?
胸に感じた小さな熱に、戸惑ってしまう。
未だトクントクンと鳴り響く鼓動。
だけど、その正体がすぐには分からなくて。
受け取ったクマのキーホルダーを握ったまま、私は暫く固まってしまった。