DL♥ロマンティックに抱きしめて。


「あ、そうだ!さっき電話でね、そろそろお昼休みに入るみたいだから、蒼井さんもお昼行っておいで。」

「は、はいっ!」


色々疑問は浮かんだけれど。

そう口にする先生は、どこか辛そうで。

きっと、一人になりたいのかもしれない。


手のひらにおさまるクマを再度握り締め、目の前の先生に一礼する。

私が出て行った後のドアの奥で、小さなため息が流れたのなんて、気づくはずも無く。

――私はその場を後にした。



片方の頬に感じる先程の指先の感覚。

あの時の先生、何か考え事してたような。




――どうしてかな。



自分の事だったらいいのにな、なんて考えちゃったの。


私の心臓はきっといつ壊れてもおかしくない位にドキドキしていたんだ。




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