DL♥ロマンティックに抱きしめて。
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「何でもいいから。話してごらん。」
仮眠室のベッドへ腰掛けさせ、俯く彼女に出来るだけ優しく言葉を発するが、一向に口を割ろうとはしない。
「…さっきのクマちゃん、また無くしちゃった?」
「い…いえ!そんな事はありませんっ!ちゃ、ちゃんと持ってます!」
少し不安に感じていた事とは違うみたいだ。
懸命に”その事では無い”とアピールするように、ポケットからクマのキーホルダーを俺の顔の前に差し出す彼女。
安心感の中、やはり特別な感情で彼女を見てしまう自分自身に戸惑う。
「…良かった。ならどうして元気ないの?」
「げ…元気無いように見えますか?」
そう言って、上目遣いで俺を見た。