DL♥ロマンティックに抱きしめて。
♯5 新たな問題
*
その後、残りの午後の実習は気持ちが冴えないままだった。
懸命に心配している先生の側にいるのは辛かったけれど、きっとこの辛さは2週間後にはだんだん消えてしまう。
それなら、その辛さまで先生に恋した証として感じていたかったんだ。
そして、その日の夜。
「そっかぁ~…。蒲生先生ってうちの期間にはいなかったドクターだわ。」
「え…今回から参加するようになったのかな。」
「かもね。でも、ラッキーじゃない。誰も担当してないドクターを独り占めできるのよ?」
――独り占め…。
そんな事出来るはず無い。
あの時の光景を思い出し、目の奥が熱を持ち始める。
慌てて目を擦り、気持ちを切り替えてみるも、やっぱり心は重く、痛いぐらいに締め付けるものを感じる。
本当に独り占めできるならこんなに辛くないのに…。