DL♥ロマンティックに抱きしめて。
今にも殴りつけたい衝動を必死に抑え、次に捕らえたのは固まる彼女の姿。
――苛立ちを彼女に向けてはいけない。
そう思い、彼女から視線を落とし、やるせない気持ちを吐き捨てるように零れたため息とともに俺は休憩室へと足を運んだ。
――そして、今。
目の前には怯えた表情の彼女。
「…ごめん。どうしても、確認したい事があったんだ。」
「…え?」
今にも泣き出しそうな困った顔をする彼女を少しでも楽にしてあげたくて。
俺は、精一杯優しい声を出すとともに彼女の肩をそっと掴み、静かにその場にあったソファに座らせた。
己を落ち着かせる為、一呼吸ついて話し始める。
「今朝の事なんだけど…。」
そんな俺の言葉に、一瞬ビクッと体を震わす彼女。
―…やっぱり、桐谷が…?