DL♥ロマンティックに抱きしめて。
「ごめん…盗み聞きするつもりはなかったんだ。ただ、自然と耳に入ってきて。その…君の恋する相手って…
「せ…先生っ!」
俺の言葉をさえぎる様に、彼女らしからぬ少し大きめの声が部屋に響く。
もしも、
彼女が本当に桐谷へ気持ちがあるのなら。
俺は、担当を無理にでも
降りるべきだろうか。
しかし、あの桐谷だ。
手を出してすぐに終わるのは
目に見えてる。
あれから5年たって…
やっと出会えた彼女。
だがそこで一瞬脳裏を巡る疑問。
――今の俺は…
あの頃の罪悪感から来る気持ちで彼女に接しているのか…?