素敵彼氏の裏の顔【番外編】
だが……
「くそ……
てめぇら……」
足元から苦しげな声が聞こえる。
慌てて白浜先輩を見ると、真っ青になって少し震えながらも俺を睨み上げていて。
その強い眼差しに身が凍る思いになる。
白浜先輩はそのまま女子高生の方を向き、
「玲。俺を家まで連れてけ」
なんていう始末。
倒れている大の大人を、女子高生一人で家まで運べなんて。
白浜先輩は悪魔だ。
無茶ぶりにも程がある。
「おい、橘……」
城内が困った顔でこっちを見る。
……仕方がない。
俺たちで運ぶしかない。
俺は白浜先輩の右肩に手を回し、城内は左肩に手を回した。