素敵彼氏の裏の顔【番外編】
「輝……大丈夫?」
玲が遠慮がちに俺に近づく。
「ごめんね、何も出来なくて」
そんなことを言う玲がたまらなく愛しくて。
「てめぇがそんなこと言うんじゃねぇ」
俺はそう言ってそっぽを向いた。
そっとしてほしい。
俺のこんなに醜い姿なんて見られたくねぇ。
だけど、玲は容赦無く言葉を続ける。
「あの二人、悪い人じゃないと思うな」
分かっている。
それくらい、理解している。
あいつらは、憎い俺を敢えて助けた。
俺に仕返しをするチャンスだったのに。
人間のすることって……
やっぱり分からねぇ。