素敵彼氏の裏の顔【番外編】
タクシーが空港に着き、スーツケースを降ろす。
そして、それを持って空港の自動ドアをくぐった時だった。
「おせーぞ!!」
男の声が聞こえる。
「朝飯食おうっつったのに」
続いて別の声。
その声の方を見て、あたしは唖然とした。
いや、あたしだけじゃない。
隼人に至っては完全に凍りついていた。
「てめぇら、やる気が足りねぇよ」
そう言った淳ちゃん、いや、淳ちゃんだけでなく先輩たち全員が、あり得ない格好をしていたからだ。
赤や黄色の派手なアロハシャツに、短パン。
麦藁帽子に、星やハート型のサングラスをかけている。