素敵彼氏の裏の顔【番外編】
ー隼人sideー
「てめぇ、まだ童貞なのかよ?」
城内が俺にそう言って来たのは、出発の三日前だった。
「悪いか」
俺は城内を睨んだが、奴は面白そうにニヤニヤしていた。
ウザい野郎だ。
「俺はお前とは違う」
美優といれば、それで幸せ。
そう自分に言い聞かせてきた。
もちろん、何回か理性を失いそうにはなった。
その度に、はっと我に返った。
性欲を身体で満たしてしまうなんて、あの父親と同じだ。
それに、俺の身体には醜くて消せない痕がある。
そんな身体を美優に見られたくはなかった。
例え、美優が呪うべきあの印を知っているとはいえ。
だけど……
抱きしめたい。
その気持ちは日に日に大きくなる。
美優には辛い思いをさせてしまうかもしれないけど、我慢が出来ないほど愛しかった。