素敵彼氏の裏の顔【番外編】
「てめぇにプレゼントがある」
城内は言った。
「最高のシチュエーションだ。
それでキメられなかったら……
てめぇはただのクズ」
奴はそう言って卑猥な顔をして去っていった。
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俺はスイートルームの鍵を握る。
それはひんやりして、やたら重く感じた。
口は悪いけど、城内はいつも俺のことを考えてくれている。
あいつといると、内面まで見透かされているようだ。
「童貞だから、みっともない」ではない。
俺は、「覚悟を背負いたい」。
美優に嫌われたり悲しまれたりするのがすごく怖かった。
だけど、今日は自分に素直になろうと決めた。
俺は、百戦錬磨でも、真面目優等生でもない。
……ただの、大学生だ。