素敵彼氏の裏の顔【番外編】
いつも通りの優しい隼人に、あたしは何も思わなかったのだが……
周りの人の視線が痛い。
見てはいけないようなものを見てしまった時のように、わざとらしく視線を反らす。
これはまるで、血だらけの淳ちゃんと歩いていた時と同じ状態だ。
だけど、その理由もすぐに分かった。
「すみません」
ライフセーバーらしき人が近付いてくる。
人違いかと思ったが、どうやらあたしたちのことらしい。
彼は隼人の前で立ち止まり、言いにくそうに口を開いた。
「あの……刺青の方は、遊泳禁止なんですが……」