素敵彼氏の裏の顔【番外編】
「……すみません」
隼人は静かにそう謝ってあたしの手を引いた。
刺青と言えるほど、派手なものではない。
でも、何も知らない人が見てしまったらぎょっとするのも確か。
隼人はこれを知られたくなくて、ずっと隠してきたのに。
なのにあたしのために、全部投げ捨ててしまうなんて。
水を吸った隼人の黒いTシャツは冷たかった。
だけど、あたしが震えていたのは、寒さのせいだけじゃない。
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