素敵彼氏の裏の顔【番外編】
あたし、ふと思ったんだ。
隼人が沖縄旅行に行きたい理由。
ただ、仲間とわいわい騒ぎたかったのではないかな。
孤高の王者ではなく、普通の人間として。
あたしは、そんな人間じみた隼人が大好きだ。
「隼人、好きっ」
思わず声に出し、手をぎゅっと握った。
隼人は驚いたように目を見開き、そして横を向く。
「美優……」
その首筋は、ほんのり紅い。
「そんなに誘惑すると……」
「誘惑?」
隼人、何言ってんだろう。
隼人の綺麗な顔を覗き込む。
すると、隼人はますます紅くなる。
「どうなっても知らないよ?」
甘いその言葉に、あたしの鼓動も高鳴っていた。