素敵彼氏の裏の顔【番外編】
その挑発に、奴が乗らないはずがなかった。
売られた喧嘩は買う。
そして勝つ。
それが奴だから。
漆黒の西高集団が二つに割れ、道を開ける。
その道を、金髪の男が歩いてくる。
男の顔は見えないが、そのオーラだけで気を失いそう。
鉄パイプすら持たず、ポケットに手を突っ込んで、煙草をくわえながら奴は来た。
「てめ……死ね!!」
早まった城内が飛び出す。
鉄パイプを振り上げ、丸腰の神木に向かって。
だが……
パシン……
乾いた音が響いた。
地面に煙草が落ち、黒い靴がそれを踏んだ。