素敵彼氏の裏の顔【番外編】
「死ぬのは、てめぇだ」
奴は低い声で唸る。
次の瞬間、城内の鉄パイプはぐにゃりと曲がっていた。
「く……くそ……」
城内の悪態が聞こえる。
歯を食いしばる城内を笑いながら見る神木は、化け物以外の他ならねぇ。
こんな化け物に、俺が勝てるはずもねぇ。
だけど……
プライドが許せなかった。
ここで屈するわけにはいかなかった。
少しでもいい。
このヤリチン男を、ぎゃふんと言わせてやりたかった。
俺は気付いたら声を上げて走っていた。
鉄パイプを握りしめ、神木めがけて。
そして、高々と鉄パイプを振り上げ……
神木へと振り下ろした。
「笑わせてくれる」
神木の口元が、不気味に曲がった。