素敵彼氏の裏の顔【番外編】
あぁ、あたしには隼人がいるのにな。
そんなことを考えながらも、淳ちゃんに連行される。
淳ちゃんはあたしが出てくるまで、あたしの実家に居座るつもりだから。
昔からそうだった。
それくらい、幼なじみのあたしにはよく分かる。
急いで化粧をして、ワンピースを着る。
そして、真夏の日差しの下、外へ飛び出した。
昔のように淳ちゃんがヘルメットをかぶせてくれて、淳ちゃんのバイクの後ろに跨る。
久しぶりに掴まった淳ちゃんの身体は、相変わらずがっしりしていて逞しい。
だけど、自然とドキドキもしない。
昔は、この瞬間が一番幸せだったのに。