素敵彼氏の裏の顔【番外編】
だが、淳ちゃんは勝ち誇ったように笑っていた。
待ってましたと言わんばかりに。
「どうせ、西高のたまり場だろ。
乗り込んでやろうぜ」
淳ちゃんは完全にその気になっていて。
あたしはため息をついた。
この辺りには、西高の縄張りがある。
寂れた商店街の一角だ。
あまりにも危ない気配が漂っていて、普通の人はおろか、北高生すら近寄らないのだ。
淳ちゃんは西高の縄張りに入って、集団でリンチ紛いなこともされたらしい。
「今となっては、だ。
奴らは何もしねぇよ」
そりゃあ、隼人がいたら、何もしないだろう。
だけど、隼人がいなかったら……
いくら淳ちゃんといえど、不良大勢を相手にすることは不可能だろう。