素敵彼氏の裏の顔【番外編】
この辺りに来ると、淳ちゃんはいつも警戒をしていた。
神木がいるから、これ以上進むなと言って。
だけど、今日の淳ちゃんは警戒すらせず、大きな足音を立てて進んでいく。
向こう見ずにもほどがある。
街には人の姿こそないが、確かに気配は感じる。
そして、監視されているように、空気が張りつめていた。
寒気がする。
何だか、嫌なことが始まりそう。
あたしの本能が警告を出し、あたしは淳ちゃんの腕を掴んだ……