素敵彼氏の裏の顔【番外編】
西高生は、困ったように顔を見合わせた。
そして、
「神木先輩、さっき帰ったけど……」
そう言った時、
「何してんの?」
隼人の声が聞こえた。
穏やかだけど、やっぱり少しピリピリしている。
その声を聞いて、西高生たちは身を固くした。
あたしたちの後ろに、隼人は立っていた。
その髪が、ビルの隙間から射す陽の光によって金色に輝いていた。
「約束したよな?
そいつらに手ぇ出さないって」
「か……神木先輩……」
西高生は怯えている。
中には涙を浮かべている人すらいて、なんだか惨めに思えた。
「そいつらに手ぇ出したら……」
どうやら隼人は勘違いしているらしい。
それもそのはず。
あたしたちは、ぐるっと西高生に囲まれているのだから。
ちっ、と淳ちゃんが再び舌打ちした。
そして、
「何もされてねぇよ」
そう告げた。