素敵彼氏の裏の顔【番外編】
こんな話題に淳ちゃんが食いつかない訳がない。
「シメるって、何したんだ?」
「シメるだけだよ。
あいつらには多少荒っぽいぐらいが丁度いい」
それで、何となく分かった。
また隼人は後輩たちに暴言を吐いて帰ってきたんだ。
キャラに似合わず。
……いや、本来のキャラ通りに。
「それより、これからどうする?」
無理に話題を変える隼人。
淳ちゃんは難しそうな顔をして、
「これから後輩と会うからな。
だから、美優のおもりは出来ねぇや」
なんて言う。
「おもり!?」
はぁ!?
淳ちゃんが勝手に連行しただけじゃん。
あたしは淳ちゃんを睨んだが、淳ちゃんは知らないふりで。
どうやら、わざと隼人と二人にさせてくれるらしい。
淳ちゃんは、時々優しい。
「夜には終わるからな。
飲みにいってもいいぞ?」
「行かない」
沖縄の一件があってから、アルコール恐怖症になってしまった隼人。
ピシャリと返事をして、淳ちゃんを送り出した。