素敵彼氏の裏の顔【番外編】
その瞬間、俺は飛び上がりそうになる。
悪夢かと思った。
橘は、いつもの橘と明らかに違った。
あのほんわりとしたオーラは、形なく消え去っていて。
髪型や服装さえ違えど、神木隼人に他ならなかった。
決して今まで出さなかった。
何があっても「神木のフリ」をしてきただけで、ベースには橘の人格があった。
だけど、あいつの中で神木の人格は眠っていただけで。
俺はそれを起こしてしまったのだ。