素敵彼氏の裏の顔【番外編】
ジャリ……
奴が地面を踏み、俺に近付く音がする。
俺の背筋を寒気が走った。
「喧嘩売ってんのか」
橘……いや、神木が低く唸る。
俺は震えるのを隠すのが精一杯で、気分を落ち着かせるために深呼吸をした。
こういう時は……
こういう時は……!!
俺の選んだ苦肉の策。
俺はとうとう勝負に出た。
「橘、てめぇセックスに溺れてんじゃねぇよ」
冗談のつもりだった。
それで、いつものように仲直り出来るかとの淡い期待を抱いていた。