素敵彼氏の裏の顔【番外編】
俺は、地面に跪いていた。
そして、
「ごめんな……」
土下座しようとした時……
「何やってんだよ!?
城内らしくない」
地面に付いた俺の手を、橘が引っ張り上げていた。
「橘……?」
俺は驚いて奴を見る。
奴は何だか少し顔を赤くして、そっぽを向いて。
なのに、俺の手を握っていた。
「俺こそ……ごめん」
「は?」
「勝手に一人でブチ切れて。
これじゃまるで……」
神木だよ。
そう言って橘は笑った。
だから、俺もつられて笑っていた。
橘の笑顔を見ると、心がほっとする。
友達っていいなとしみじみ思う。
奴が俺の敵だったとしても。
時々昔に戻ったとしても。
この友情はなくならない。
俺はそう思う。
時には喧嘩もして、そして仲直りして。
共に成長していけたらと思った。