素敵彼氏の裏の顔【番外編】
「つーか、むしろ見せつけてやろうぜ。
俺らの仲を」
「絶対やだ」
俺は反発する橘の帽子を掴み、取り上げた。
帽子の中からは、さらさらの焦げ茶の髪が流れ出た。
「てめっ……何すんだ!?」
帽子を取り返そうと焦る橘を見て、
「ぎゃー!!!」
悲鳴が上がる。
「か……神木!?」
「げっ。城内淳と喧嘩してる」
してやったりだ。
俺の横で、橘は大きく首を振った。
そんな訳で、嫌がる橘を連行して、俺は街に繰り出した。
密かに夢だった。
神木を従えて街を練り歩くことが。
神木は俺に従っている。
俺は神木より上だ!っつーことを、みんなに見せびらかしてやる。