素敵彼氏の裏の顔【番外編】
「はぁ……ろくなことない」
愚痴をこぼす橘を、一睨みする俺。
そして、積み上げられている廃材に腰かけた。
「ろくなことねぇよ。
でも、面白ぇんだよ、てめぇといると」
それは俺の素直な気持ちだ。
「美優のことは気にするな。
俺は元から美優を抱くつもりなんてねぇ。
ガキん時から一緒だから、妹としか思ってねぇよ」
「そっか」
橘はそう言って、ありがとうと言う。
俺はそんな橘に向かって笑っていた。
橘といる美優は本当に楽しそうで。
俺にも見せたことのない顔で笑っている。
そんな幸せな美優を見るのが嬉しい。
兄として。