素敵彼氏の裏の顔【番外編】
「何してんだ、てめぇら」
ふと、聞き慣れない声がした。
先輩たちは声のする方を見て、
「あァ?」
威嚇する。
その視界の先……
倉庫の入口の近くに、二人の人影があった。
一人はオレンジ色の髪に、ダボダボの服。
見るからにガラが悪い。
そして、もう一人は黒に近い髪色で、細身のシャツを着ていて。
ごく普通の大学生のようだ。
二人の輪郭は見えるが、顔は見えない。
逆光のためだ。
「誰だ、てめぇら」
先輩たちの言葉に、
「通りすがりだぜ」
オレンジは威勢良く答える。
「ちょうどいい。
てめぇらも消してやろう」
早速喧嘩を売る先輩に、
「こっちの台詞」
正統派が答えた。