素敵彼氏の裏の顔【番外編】
「中々?笑わせるなよ。
俺は橘。
二年前の名は……神木」
「ぎゃぁぁぁあ!!」
先輩のうちの誰かが叫び声を上げ、リーダー格がみっともねぇと蹴りを入れる。
「人違いかもしれねぇぜ?」
「だよな!
神木とは全然違うし、神木は城内を殺しかけたっつうし」
先輩たちは慌てている。
目の前にいる彼を、神木と認めたくないのだろう。
それもそのはず。
西高の神木は、北高の城内よりもずっとずっと恐るべき人物。
城内はカリスマ。
人望に厚く、仲間思い。
だけど神木は……
神木は死神。
彼がもたらすものは、破壊と服従。
神木に目を付けられたら、元の生活には戻れない。