素敵彼氏の裏の顔【番外編】
全てが終わるのに、一分もかからなかった。
まるで、ドラマでも見ているようだった。
だらしなく伸びる先輩の間を塗って、ゆっくりと二人が近付く。
俺の鼓動は最高潮に達した。
関わりたくない。
死んでも関わりたくないような、伝説の二人。
城内は、俺の記憶のまま。
オレンジ色の髪に、つり上がった瞳。
だけど神木は……
「大丈夫?」
彼はしゃがみ込み、彼のシャツを脱ぐ。
そして、震えている裸の彼女にかける。
俺はその顔をまじまじと見た。
生の神木を見たことは、数回しかない。
それでも、写メでいつも回っていた。
金髪で、眉毛が殆どなくて、冷たい瞳の彼が。
だけど、そこにいる神木は全然違っていた。
そのすっと通った鼻、切れ長の瞳は確かに彼だ。
だけど、目の前にいる神木は優しげで、人間味が溢れていて。
……マジでイケメンだった。