素敵彼氏の裏の顔【番外編】








全てが終わるのに、一分もかからなかった。

まるで、ドラマでも見ているようだった。




だらしなく伸びる先輩の間を塗って、ゆっくりと二人が近付く。

俺の鼓動は最高潮に達した。




関わりたくない。

死んでも関わりたくないような、伝説の二人。

城内は、俺の記憶のまま。

オレンジ色の髪に、つり上がった瞳。

だけど神木は……




「大丈夫?」




彼はしゃがみ込み、彼のシャツを脱ぐ。

そして、震えている裸の彼女にかける。

俺はその顔をまじまじと見た。




生の神木を見たことは、数回しかない。

それでも、写メでいつも回っていた。

金髪で、眉毛が殆どなくて、冷たい瞳の彼が。

だけど、そこにいる神木は全然違っていた。

そのすっと通った鼻、切れ長の瞳は確かに彼だ。

だけど、目の前にいる神木は優しげで、人間味が溢れていて。

……マジでイケメンだった。



< 264 / 386 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop