素敵彼氏の裏の顔【番外編】
「それにしても、情けねぇな」
俺はそう言って力任せに街の看板を蹴った。
鉄で出来たソープの看板は、いとも簡単にぐにゃりと曲がる。
「大宮、西高のプライドを傷付けた代償は、でけぇ」
俺は煙草を取り出し、火を点けた。
この煙が好きだ。
俺の怒りを落ち着かせてくれる。
そして、俺の精神をさらに強靭にしてくれる。
県下一番の高校、西高。
西高の中の、神木。
俺に喧嘩を売るなんて、大した野郎だ。
俺はバイクに跨った……。