素敵彼氏の裏の顔【番外編】
「てめぇ、誰だよ」
馴れ馴れしくすんじゃねぇよ。
俺は男に凄む。
それでも男はひるむことなくニコニコしてやがる。
俺の威嚇に気づかないなんて……
相当な鈍感男か。
それでも無駄な争いはしたくない俺。
杏もいるし、変なトラブルに巻き込まれたくねぇ。
「人違いじゃね?」
そう言って男の横をすり抜けようとした時……
「お礼が言いたくて」
奴は言った。
「久しぶり。
俺は、橘……いや、神木という名前だった」