素敵彼氏の裏の顔【番外編】
「確かに艶さん、超イカす服装ですが……」
遠慮がちに言うドラムの雄太郎。
俺たちは思わず吹き出した。
「だけど、あやのアニキ、マジで元ヤンなんですよ」
ベースの啓介の言葉に息を飲んだ。
あやは啓介を睨み、口を尖らせる。
そんなあやを無視して、啓介は続けた。
「あやのアニキ、今はすごくいい人です。
大学生になったアニキが怒ったところなんて見たこともないし、俺たちの遊びにも付き合ってくれました。
でも、高校の頃はリアルにヤバかったです」
「そうそう。
今も地元じゃアニキの名前を聞くと、みんな震え上がるんですよ!」
雄太郎も少し困ったように言った。