素敵彼氏の裏の顔【番外編】
「お疲れ様」
俺はそう言って、アイスを差し出す。
「わぁ!ハーゲンダッツだぁ!
アニキ、ありがと!!」
「俺、イチゴ味」
啓介がそう言ってイチゴ味のアイスを取った時……
「イチゴは俺のだからっ!!」
新たな声が聞こえた。
俺は思わずその声の主を見ていた。
美優は真っ赤になって口元を押さえている。
……そう。
最近の美優はFにハマっているのだ。
Lの後ろにはなんとFがいて。
いや……
彼らはLを押しのけて、アイスに見入っている。
Fってクールさが売りじゃなかった!?
それなのに、目の前にいるFは、テレビや雑誌のFと180度違う。
「俺、チョコミント!」
「俺もチョコミントがいい!!」
チョコミントを取り合う酙と玄。
その横で、碧が啓介からいちごアイスを奪っている。
なんだ、この人たち……
子供!?
そんなFを見ながら、
「アイス全員分ないよ……」
あやがぽつりと呟いた。