素敵彼氏の裏の顔【番外編】
俺はその声の主をじっと見ていた。
彼も俺たちをじっと見ていた。
まさか、こんなところで会うなんて。
だって、そこにいたのは……
「……アニキ?」
なんと、あやちゃんのお兄さんだったのだ。
「隼人、知り合い?」
周りの男性が、驚いてアニキを見る。
「うん……」
そんなやり取りを見て、ふと思った。
今は普通の大学生のアニキ。
もしかして、あやちゃんとの関係は、周囲も知らないのかもしれない。
アニキは極力、自分の存在を知られないようにしているのかな。
こんな素敵な人なのに。
俺は、ずっとアニキを見ていた。