素敵彼氏の裏の顔【番外編】
その名前を思い出した瞬間、関わりたくないという気持ちでいっぱいになる。
この佇まい、このオーラ、まさしく彼は闇の世界の人間だろう。
だが、ふと俺の目に留まる彼の右手。
彼の中指と人差し指の間には、何と煙草が挟まっていたのだ。
「白浜先輩……
さっき、煙草吸うなと言いましたよね……」
思わず口にしてしまった。
俺はどうやら正義感が強いらしい。
黙っておけばいいのに、理不尽なことが起こると放っておけないみたいだ。
「あァ!?」
予想通り、白浜先輩の機嫌は悪化する。
ヤンキーみたいに顔を釣り上げ、俺を睨みおろした。