素敵彼氏の裏の顔【番外編】
うぜぇ二人のことは忘れて、久しぶりにテニスコートへ入る。
俺を見た瞬間、凍り付いたような表情になる学生。
俺はいい先輩でも何でもねぇ。
ごく稀に現れる、身勝手な先輩だと嫌われているだろう。
それで十分だ。
愚かで能天気な学生とは深く関わるつもりもねぇ。
俺がここへ来たのは、テニスをするわけではねぇ。
ただの一服だ。
コート脇のベンチにおもむろに腰掛ける。
そして新しい煙草を取り出し、火を点けた……