素敵彼氏の裏の顔【番外編】
「あいつら、てめぇに何を言った?」
俺は奴らに背を向け、聖に声をひそめて話しかける。
聖は相変わらず人のいい笑顔を作り、俺に告げる。
「特に何も。
ただ酒が飲みたいらしい」
そう言って聖はテキーラを並々とグラスに注ぐ。
あいつらはマジで頭がおかしいらしい。
一発目からテキーラとはな。
俺はほくそ笑んだまま二人を見ていた。
そんな俺の地獄耳に飛び込んでくる奴らの言葉。
「白浜って奴、カウンターにいるぜ?
あの女子高生連れて」
俺には聞こえていないつもりらしいが、丸聞こえだ。
「犯罪だよな、女子高生とか」
そう言って赤毛はテキーラをぐいっと飲む。
「こんな店に高校生を連れてくるのは良くないよね」
橘もそんなことを言って、テキーラに口を付けた。