素敵彼氏の裏の顔【番外編】
俺が聞いていないと思って……。
俺の怒りのボルテージがどんどん上がる。
隣で心配そうな玲が俺を見上げた。
「……つかさぁ、あいつ、オレンジジュース飲んでね?」
不意に吹き出すように赤毛が言う。
「だせー」
身体中から冷や汗が流れる。
俺だって酒を飲みたい。
だが、厄介な身体の作りのせいで、飲むと身動き一つ取れなくなってしまう。
これは完全な俺の弱点だ。
だが、言われっ放しじゃ俺のプライドが許さねぇ。
「……お子様だな」
橘の馬鹿にしたような笑いで、俺のリミッターは吹っ飛んだ。
「聖、ウォッカ。
ストレートで」
「は?」
「いいから出せ、この野郎!!」
俺は大声で怒鳴り散らしていた。