素敵彼氏の裏の顔【番外編】



俺が聞いていないと思って……。




俺の怒りのボルテージがどんどん上がる。

隣で心配そうな玲が俺を見上げた。




「……つかさぁ、あいつ、オレンジジュース飲んでね?」




不意に吹き出すように赤毛が言う。




「だせー」




身体中から冷や汗が流れる。



俺だって酒を飲みたい。

だが、厄介な身体の作りのせいで、飲むと身動き一つ取れなくなってしまう。

これは完全な俺の弱点だ。

だが、言われっ放しじゃ俺のプライドが許さねぇ。




「……お子様だな」




橘の馬鹿にしたような笑いで、俺のリミッターは吹っ飛んだ。








「聖、ウォッカ。

ストレートで」



「は?」



「いいから出せ、この野郎!!」




俺は大声で怒鳴り散らしていた。



< 99 / 386 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop