ラブ♡スリップ
こんなに憂鬱なんて。
ここはファンタジーの世界なのに。
わたしはベッドから出て窓を開ける。
気持ちのいい風。
「午後、王子様がお見えになるそうですのでメイクアップの方を」
この人達は、かなり急いでいるみたい。
そっか。
まぁ、そうだよね?
「はい、わかりました」
まるで、わたしは人形みたい。
高山 りんごなのに、白雪姫。
みんなのためにあちこちに振り回されてる。
「さぁ、こちらへ」
そう言ってわたしを部屋から出した。