ラブ♡スリップ
「ええ。
幾度となく白雪姫を苦しめました」
「例えば…?」
「はじめは腰縄で縛って殺そうとしました。
次は毒の櫛を差して殺そうとしました。
最後には毒りんごを食べさせたのです」
「そ、そんなことを…?」
グリム童話、そのものじゃない。
「なんとかすべて命を救うことができましたが次はどうしてくるのかわたしたちにもわかりません」
「そんな恐ろしい魔女がいたなんて…」
「白雪姫が旅に出るようになったのもそれからです。もともとは小人たちと楽しく暮らしていましたが、迷惑をかけると離れてからたくさんの国へ旅に出るようになりました」
「そんな…」
「だから、咎められないのです。
あの魔女は王妃。
死刑にするにもできず、今に至っているのです」