ラブ♡スリップ
「ほら」
先に降りてわたしへ腕を広げる。
わたしはその腕に飛び降りた。
優しく抱きとめてくれる。
抱きしめられたまま、しばらくいると、
そっと蓮斗が離れて歩き出した。
「…どうしたの?」
「わかんない」
「えっ?」
わかんない?
「すんげえ、あいつにムカついた」
「蓮斗…」
「ごめん、大人気なかったよな」
苦しそうに笑う蓮斗。
わたしは見ていられず、
無意識のうちに抱きしめていた。