ラブ♡スリップ
城に帰ると、そこにはおじさん。
「白雪姫!おかえりなさいませ」
「ただいま」
「幸せそうで何よりです」
わたしは後ろを見てまた目をそらす。
蓮斗を直視できない。
あのあと、わたしたちはキスに溺れた。
お互いがなにかの不安を消すかのように。
寂しさを埋めるように。
「また、会いに来るよ」
「次はいつ来るの?」
ゆっくりと馬からおろしてくれる。
「早めに来れるようにする。
あの子どもに取られないようにしないと」
「そうだね、風牙くんのお嫁さんになるみたいだから」
「そうはさせないよ。きちんと役目は果たさなくちゃ」
そっか。
そうだよね。
わたしたちは王子と姫。
結ばれなくちゃいけない運命にしなくちゃならないんだものね。