ラブ♡スリップ
「おい、止めろ」
この声…。
薄らぐ意識の中で入口のほうを見ると、
そこには。
王子様の姿。
「なーんだい、あんた」
「俺の白雪姫を返していただきたい」
「ほほう」
「こんなことをしたところで、
あなたが元の姿に戻るわけではない。
その姿はきっとそのにくい心からできているんだ」
「なに…?」
「もう一度、心を洗ってみたらどうだ?」
蓮斗ダメっ…!
軽やかに走ってくるとわたしたちの頭上を飛び越えて、
わたしを力づくで引っ張ると、そのまま塔の下へ飛び降りた。
「ま、待たんかぁぁあ!」
「りんご、大丈夫だよ」
そっと抱きしめて、
そのまま下へ落ちていく。