ラブ♡スリップ
「ちょっと、まって!」
「なに?」
バルコニーへ行こうとする白雪姫。
わたしの言葉に足を止めて振り返った。
「わたしと王子様はどうすればいいの?」
「今の関係を保ってくれればいいわ。
あたしたちは恋をしてる。結婚もきちんと考えてるから」
「…そっ、か」
「だから、あなたはあなたらしく。
後少しの間だけ白雪姫をやってちょうだい?」
「はい…」
「あなたならできるわよ!」
ぽんっとわたしの肩に手を置く。
わたしはそのまま動くことなんてできなかった。