俺の姉(+従姉)たちが個性的すぎる件について

鞄を無造作に放り投げ、鍵を閉めて、ズルズルとドアにもたれ掛かりながら座った。

「はぁ、千寿姉といると疲れる…」

俺が物心ついたころからあんな感じ。

雨月姉の勢いを無くす程、パワフルの塊みたいな奴なのである。

「…どーしよっかな、コレ」

手に持っていた手紙を回して見る。

目の前でクルクルとする、ファンシーなキャラクター。

対処法に悩んだ。


…中学の時と同じでいいか。

「たしか押し入れの中に…」

ガサガサと漁ると、程なくして見覚えのある箱が出てきた。

パカッと開くと…


ピンク系が圧倒的に多い封筒の数々。


「高校からはもういらないと思ってたんだけどな…」

前からもらった手紙はとっておいている。

あ、中高って分けた方がいいか?

箱の蓋を閉め、部屋の中から空き箱を出してくる。

中にさっきの封筒を入れながら

「これ以上、もらいませんように」

小さく呟いた。

人が書いたものを無造作にゴミ箱とかに入れると、祟りがきそうだし

女のだと、尚更強いのが来そうで、中学のもらい始めた時から、全部とってある。

ラブレターって意外と対処に困る。まだ口で言ってくれたほうがありがたいというか何というか。

いつかは焼こうかなとか考えてるけど、こんな住宅街で火を使うわけにもいかないので、結局溜まっていくだけなのである。

「…あ、ご飯の準備、手伝わなきゃな」

箱を部屋の隅に置いて立ち上がった。

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