俺の姉(+従姉)たちが個性的すぎる件について

***

時は流れ流れ…

「よし、じゃあ、解散!」

放課後。

え、そこまで時間たってないって?

…まぁ、細かいことはいいんだよ、うん。

「青磁、帰ろうぜー」

「あ、俺、サッカー部行くから」

「へぇ。もう部活やるのか。熱心だなー」

「まぁな。じゃ、また明日」

「じゃあなー」

一緒に帰る当てだった青磁は部活に行くらしい。

真面目君の風貌をしたこいつは、サッカーもまぁまぁできる。

モテる要素を兼ね揃えているのだ。

まったく
ギャップの塊め!!

なんか言葉がおかしい気もするけど…まぁいいや。

「久保君帰るのー?」

「マジかよ。じゃーなー」

「うん。バイ」

間違ってもらわないで欲しいが、俺は青磁以外にも友達はたくさんいる。

ぼっちじゃないからな!!

廊下を歩いていると、俺の横をすり抜けて部活にむかっている奴らがちらほら。


正陽高校は学力的にも部活動もレベルはそこそこの高校だ。

入学試験はやや倍率が高めだけれども、入ってみるとそうでもないことがよくわかる。

そんで、学校が始まってちょっとしたら二週間くらいの部活動お試し期間が設けられている。

今はその真っ只中。

ちなみに俺はまだ決めてない。どうせなら部活をやりたいとは思っているが、今のところは置いといてる。

もう決まって入部届を出した生徒は、いち早く先輩に名前を覚えてもらい、部活動に励んでいるようだ。

青磁もその一人。


さっさと靴箱に行って、外に出た。

学校に植えてある桜の木が、見事に咲いていた花をだんだんと落としていき、今では全体のほとんどが葉桜。

「最近は桜の花が落ちるのって早いよなぁ」

毎年思ってるけどさ。

自転車置き場に置いてあった自転車のロックを外す。

入学祝いに買ってもらった、まだ新しいコバルトブルーをした自転車。
種類とかそういうの分かんねえけど、見た瞬間これがいいって親に頼んだ。

見た目はもちろん、乗り心地もいいし、けっこうお気に入り。


俺の家と正陽高校の間はほどほどの距離で、
徒歩でも自転車でも通学が可能。

実はこの高校を選んだのは、家に近かったからというのもある。

電車通学とかも憧れてたけど、私立の中学校に通ってた友達が

「何だかんだいって面倒くさいよ。
混むし、乗り換えするのに電車遅れることもあるし。
電車が事故でずっと止まるのが一番面倒くさい」

と言っていたのを聞いて考え直した。
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