その一枚が恋だと気付くのに、どれほどの時間が必要だろう
月曜日に二人が初めて話してから、今週は放課後に毎日彼女が部室に来て僕の写真を見るようになった。

彼女が手に取った写真に対して、僕がその場所やそのときの風景などを話すことが、毎日の日課となりつつあった。


「そろそろかな」


そう呟き、写真を拾い集める。

彼女が来るときはいつも写真が散らばっているので、今日からは綺麗にしておこうと決めいていたからだ。


「あら、片付けちゃうの」


拾い集めた直後に彼女はドアの前に立っていた。

普段は挨拶をしてからドアを開けるので、いきなり部室に入ってきたことに驚いた。


「あっ、ごめんなさい。

ドア開いていたし、一応ノックもしたんだけど、和中君気付かなかったから」


彼女は驚いている僕を見ながらいつもの場所へと移動し、そこに置いてある椅子に腰を掛けた。

それも僕なりの気遣いで、毎日その場所に座るということに気付き、今日は椅子を置いておいたのだ。
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