花火
ぶつかるように唇を合わせてきたかと思えば、くちゅと音を立てて、女の舌が俺の唇を割って口内に入ってきた。
……あーもう、口閉じれねぇし……。
「……ん、ふ……っ」
俺の中を這い回る舌。
ぎこちない動きに、必死さが伝わってくる。
……無理してるってバレバレだし。
何がおまえをそうさせるんだ?
こうやって触れてしまえば最後。
女のことを知りたくなった。
少し意地悪をしたくなって、女の舌に自分の舌を絡める。
ピクン、と揺れる女の身体。
……フルムーンが明日だからか?
無性に求めてみたくなった。
……もっと、反応させたくなった。
軽く女の舌を噛む。
「──んぁっ……!」
俺の思い通り、女が唇を離した。
女は立ち上がり、自分の唇に指を当てて、俺のことを睨む。
「何す……っ!」
「おこちゃま。」
「な……っ、んむっ……!」
俺も立ち上がって後ずさる女の腰を抱き、唇を合わせた。